2024年の美術館巡礼は「魅惑の朝鮮陶磁」「謎解き奥高麗茶碗」の企画展に惹かれて根津美術館訪問から始めました。2月某日風は冷たいのですがお天気に恵まれましたので、表参道駅から歩いて行きました。入って直ぐのアプローチは美術館の云わば露地ですね。雑然とした外部から精神をリフレッシュし、美術を純粋に味わえるよう設計されたのでしょう(設計 隈研吾)(写真左2枚)。
尾形光琳「燕子花図屏風」でも有名な美術館ですね。ホームページによりますと根津美術館の収蔵品は2021年12月末時点で国宝7件、重要文化財88件、重要美術品95件を含む7613件と立派なうえ、立地も良いですから訪問される方も多いと思います。実際当日は外国からの訪問客を含め大変賑わっておりました。
まず最初に「魅惑の朝鮮陶磁」を拝見いたしました。主に館蔵品の展覧で、陶質土器、青磁、粉青、白磁が計34点、高麗茶碗が16点、それに陶片の展示がありました。パンフレットに「青磁陽刻蓮華唐草文浄瓶」(重要文化財)は高麗青磁の超名品とあり、翡色青磁の最高峰なのでしょうね。高麗茶碗は各種類のお茶碗がほぼ1点ずつ並べられており、重要文化財である青井戸茶碗「柴田」と雨漏堅手茶碗が含まれております。
「謎解き奥高麗茶碗」は草創期の奥高麗茶碗が8碗、展開期が11碗、完成期が10碗(重要文化財1点)、後期の定型化する奥高麗茶碗が5碗、計34碗の展示内容でした。これだけ多数の奥高麗茶碗をまとめて見学できる機会は滅多にないでしょうし、大変勉強になりました。記念に根津美術館学芸部が編集した図録をお土産に購入致しました。
他に「古代中国の青銅器(重要文化財8点)」「ひな人形と百椿図」「春の茶の湯-釣り釜ー(重要文化財1点)」の各展示室があり、茶室が点在する日本庭園(写真右2枚)の散策ありで、3時間たっぷり滞在致しました。
根津美術館は初代根津嘉一郎(1860-1940)の遺志により1941年に開館されました。根津嘉一郎(青山)は山梨県出身で、県会議員、村長、衆議院議員を歴任し、また事業欲も旺盛で、後に鉄道王と呼ばれて実業界に大きな足跡をのこしました。美術品の収集にも熱心で、コレクションも東都数寄者中で10指に入るころに青山の邸宅青山荘が完成し、茶室「無事庵」で初陣茶会が開かれ、正客は大正名器鑑を編纂した高橋義雄(箒庵)(1861-1937)でした。
根津美術館学芸部 編集「謎解き奥高麗茶碗」2024年2月10日発行