荏原 畠山美術館

初冬のからりと晴れた日に「荏原 畠山美術館 開館記念展Ⅰ-與衆愛玩(ヨシュウアイガン)-共に楽しむ」を満喫して参りました。地下鉄から出た所では通りかかった方にお聞きしてのスタートとなりましたが、交番を左折してからはホームページの地図を頼りに無事到着できました。

 

畠山美術館は荏原製作所の創設者である畠山一清(号 即翁)(1881~1971)が蒐集した茶道具を中心とする古美術を展示する美術館で、開館は東京オリンピックと同じ1964年です。即翁は茶の湯と能楽を嗜む数寄者ですが、審美眼にも優れており、約1300件の収蔵品には国宝6件・重要文化財33件が含まれております。

 

 正門から入って階段を上がると木立の間に小径があり(写真1,2)、ここを進むと本館が左手に見えてきます。本館わきにはお茶室の明月庵、翠庵(写真3)、沙那庵があります。真直ぐに進むと浄楽亭、毘沙門堂に行き当たりますが(写真4)、引き返して本館に入りましょう。受付での入場券購入はキャシュレスなのですね、お札代わりにクレジットカードを提示して...。

 

 早速本館2階の展示室に向かいました。ガラスケースに展示された茶道具はどれもが心惹かれるものでしたが、伊賀花入 銘 からたち、割高台茶碗、伝 夏珪筆 竹林山水図、宗峰妙超墨蹟 法語、柿の蔕茶碗 銘 毘沙門堂、など重要文化財はさすがに見る者を唸らせる存在感がありました。鈍翁との交流も知ることができました。残念ですが撮影は禁止です。

 

新館2階の展示室1には能楽の能面や能装束などが展示されておりました。能装束は染織技法の粋を尽くした豪華で気品の高いものが多いとの記述がありますが、それは素人目にも一見して分かりました。新館地下1階の展示室2には即翁の女婿である酒井億尋の洋画コレクションの展示がありました。

 

最後に開館式典当時のフィルム映写をみました。即翁が三笠宮殿下に割高台茶碗でお茶を点てられる様子が写っており、また有名な各界の名士が多数参列しておりましたので人脈の広がりが推測されました。

 

即翁は能登の守護大名である高家畠山家の血筋を引いておりますが、加賀百万石の藩主前田家の祖である前田利家が学問、茶の湯、能などを積極的に行い、その後も利長、利常、光高、綱紀という大名茶人が輩出したという環境にも影響されたのでしょう。

 

 嶋崎 丞 監修「加賀前田家 百万石の茶の湯 利家から現代まで」

                      株式会社淡交社 平成14年7月5日初版

 

https://www.hatakeyama-museum.org