特別展「眼福(眼の保養) 大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」の見学に行って参りました。嬉しかったのは国宝窯変天目を除いて写真撮影OKだったことでした。それは展示品総てが静嘉堂文庫美術館の収蔵品だから可能なのでしょうね。
静嘉堂文庫美術館の茶道具は三菱第二代社長岩﨑彌之助(1851~1908)と嗣子で第四代社長岩﨑小彌太(1879~1945)により1884年頃から1945年までに蒐集されました。静嘉堂には約6500件の東洋古美術品があり、茶道具は約1400件を占めます。また20万冊の古典籍を収蔵しています。国宝7件、重要文化財84件が含まれます。
静嘉堂文庫は岩﨑彌之助により1892年に創設されました。小彌太は1940年に財団法人静嘉堂を設立し、没後の1946年、遺言により蒐集した美術品が財団に寄贈されました。静嘉堂創設100周年の1992年に静嘉堂文庫美術館を新設し、130周年の2022年に東京丸の内の重要文化財・明治生命館1階(写真)にて展示活動を始めました。
明治生命館は三菱系列である明治生命の社屋として1934年に竣工しました。終戦後はアメリカ極東空軍司令部として使用され、1956年明治生命に返還されました。コリント式列柱の並ぶデザインが特徴の一つのようで、1997年重要文化財に指定されました。外観同様、1階にある展示室もとても重厚で良い雰囲気ですね。
岩﨑彌之助は数寄者ではなかったようですが、由緒伝来の確かな茶道具の愛好者でした。一方、小彌太は夫人ともども久田家第十一代無適斎宗匠に師事して茶湯の稽古を続けられた茶人でした。豊臣秀吉の北野大茶湯から350年を記念して1936年に開かれた「昭和北野大茶湯」において、その一席に小彌太が所有していた茶道具が用いられました。
窯変天目は過去に何回か拝見致しましたが、展示が見やすくて見込みがとても良く見えました。まさに”奇跡”としか表現のしようがありません、本当に...。また風格という観点からは大井戸茶碗は外せないものなのでしょうね(写真)。ノンコウの赤楽茶碗は色彩豊かで「眼福」に相応しい一碗と感じました(写真)。
有名な茶入も沢山展示されていて、そこのコーナーはなかなか人垣が進まずに時間がかかりました(写真)。他にも三島芋頭水差(写真)、仁清の茶壷(写真)、等々心惹かれるお道具のオンパレードでした。
静嘉堂文庫美術館 編集・発行「眼福 大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」2024年9月10日発行