和泉市立久保惣記念美術館

和泉市久保惣記念美術館は雑誌の美術館ガイドにも載っており、以前から行きたいと思っておりました。いざ行くとなると大阪の中心部からは結構遠そうだし、和泉市も馴染みのない所だし....。この度「茶道具ー久保惣コレクションの優品ー」のタイトルに惹かれて思い切って訪ねて参りました。

 

エントランス(写真)に入って受付すると、職員の方がここは新館で本館は奥の方ですとドアの外を指して教えて下さいました。先ず本館からということで外に出て通路を進むと、しば~らく歩いて奥まったところに本館入口がありました。ネット学習を怠ったものですから、後で5000坪の敷地と知って驚きました(写真)。

 

久保惣記念美術館は1982年に開館した和泉市立の美術館で、国宝2点、重要文化財29点を含む約12,000点が収蔵されております。コレクションは第一次(初代惣太郎・二代惣太郎・忠清・三代惣太郎)および第二次~第六次(久保恒彦・行央・尚平)久保惣コレクション、定静堂コレクション、江川コレクションに分類されております。

 

 今回、本館には国宝1点、重要文化財2点を含む76点が展示されておりました。写真OKで嬉しいですね。パンフレットの表紙を飾るのは奥高麗茶碗「三宝」です(写真)。奥高麗では唯一の重要文化財のようで、それだけ貴重なものなのでしょうね。色々な方向から拝見しますと少し高低差があり、器肌の表情・色彩は変化に富んでいます。ズシリと重そうですが、実際はどうなのでしょう。

 

お茶碗は他に各種高麗茶碗、楽茶碗など計24碗でした。また国宝花生(写真)・重文花入(写真)・千利休の書状と茶杓(写真)・仁清中次(写真)・棗・釜・香合など見どころ満載でした。私が良く存じ上げなかっただけですが、本館の展示をみただけで美術館の格式は十分に伝わりました。平日のためか、見学者は少数ですし外国の方は見かけませんでした。お茶室の点在する名勝の庭園は非公開でした。

 

今度は新館に戻って見学いたしましょう。1室は中国の青銅器中心の展示(写真OK)、もう1室は西洋近代絵画・彫刻と浮世絵(写真禁)でした。新館で嬉しかったのは、ルノワール「首飾りの女」を良い照明のもとで至近距離からユックリ鑑賞できたことです。若い女性の瞳の複雑で神秘的な表現、肌の多彩な色使いやグラデーション、画家のパッションが心の奥底まで沁み込んできました。

 

幾度も見ている広重の浮世絵も、版が良くて照明効果もあるのでしょうか、今までになく引き付けられました。ここの浮世絵展示は人気が高いということが十分納得できますし、機会があれば再度見学したいとの思いも湧きました。

 

 泉州にレベルの高い美術館が多いのは、茶道が興隆した室町~江戸時代の一大商業・文化・国際都市「堺」の影響があるようです。大阪万博が間近でインバウンドが多くなると予想されますから、上手く情報発信することで大いに国際交流を図って頂きたいものです。

 

 

和泉市久保惣記念美術館 編集・発行「和泉市久保惣記念美術館 新蔵品選集」

              平成24年10月13日発行、令和6年3月15日改訂版発行

 

https://www.ikm-art.jp